2016.7.23(土) 【感謝】2016年海苔ワークショップ!@埼玉県増辰海苔店

2016年は業界初。海苔問屋と海苔漁師のコラボ開催となりました。

【漁師×問屋】生産現場から、入札・加工・販売まで。

(写真提供:株式会社増辰海苔店様、一部・アイザワ水産、無断利用・転用を固くお断り申し上げます。)

 

「極上焼きたての海苔の感動の味をお客様にお届けしたい」

 仕入れと目利きに腕の立つ、こだわりの老舗海苔問屋・増辰海苔店さん。

 

「一生で一番美味い海苔作り」”一生一品”を目指す、職人海苔漁師・相澤太を迎え、お客様に笑顔をお届けする本気イベント。

 

「共に描く海苔の未来のため、そしてお客様の笑顔のため」

プロ同士の協創により実現される’’感動の味’を、さらに一歩。

もっともっと海苔が好きになる、お客様感謝イベントを兼ねた業界初のワークショップが、ついに実現されました。

 

本当に素晴らしいこれまでにないイベントとなりましたことを、あらためて感謝を申し上げますとともに、その一部を、ご報告いたします。

会場は株式会社増辰海苔店様(創業大正3年4月/店舗:東京九段)工場・本社:埼玉県吉川市。

目利きと鮮度を第一に、量販に出回らない最高品質の海苔の原料を元に、究極の焼きたてブランドを展開しています。


増辰さんの本気。なんとお客様も。真剣そのもの。


◆ワークショッププログラム(2回開催×各2時間)

▲ワークショップポスターまで作ってくださいました。業界初の試みに、開催決定早々あっという間に満員御礼。人数制限増加するもすぐに満席となったそうです。

(埼玉県の吉川市長もブログでご紹介くださりありがとうございました。)


▲会場は埼玉県吉川市栄町の増辰海苔店・吉川工場。

社長はじめ社員・従業員の皆様全員、休日返上で、満面笑顔のお出迎えです。



▶前半…「海苔問屋部門」

 

①海苔の仕入れのお話し・見学

 「入札の目利き」

  等級、県別肩書き種類の違い、見た目・色

全国の産地から様々。各用途に適した海苔をいかに選んで仕入れるか。

▼参加者は赤ちゃんから大人まで。

開始早々から、みんな海苔ソムリエのお話にいきなり真剣です。

大人も子供も熱心にノートをとったり写真を撮ったり。

本等級は色だけ。味は関係ない。

海苔の等級には大きく二つ。第一の”本等級”の基準は、「味」ではなくて「色(黒さ)だけ」って、驚きですね。二等級と四等級、見るとくっきり違うんです。もう一つの”肩書き”という等級も、各県によって色んな種類があることを学びました。それにしても各産地たくさんの海苔!等級が高く柔らかい最高の海苔でも、味はう~ん、っていうのもあるのが海苔の奥深さのようです。

”海苔の買い付け”の見極めと、実際に焼いてから判断できる”味”により、様々な美味しい食べ方を提供するのが増辰さんの腕の見せ所なんですね。


 

  

②工場の見学 「製造工程の流れ」~先ほどの倉庫の海苔が、どうしたら商品になるのでしょうか。

 

▲受付でもらったクリーンウエアに着替えて、キレイに手洗い。みんな初めての海苔工場見学にワクワクドキドキです。

▼中に入ると本当に良い海苔の香りでいっぱいです。

中込工場長はじめみなさんに、海苔の焼き上がりから袋詰めまでの過程を丁寧に教えていただきました。初めての海苔工場に、大人も子供も大興奮!

⓪海苔乾燥機、①海苔供給機、②焼き釜、③中央操作盤、④異物選別機、

⑤カウント機、⑥切断・きざみ加工、⑦袋詰め、⑧シーラーまで。

1分間に260枚の焼きたて海苔。

 ☆焼きたて海苔の試食(なんと「金辰」!この後お土産に!)

 ☆きざみ海苔のつかみ取り(袋に入った分だけお土産に!)

きざみ海苔、手づかみでこんなにたくさん取れるんですね、みんな笑顔で大満足。そして、温かくほかほか&パリパリ焼きたて海苔の美味しさに驚きました。



▶後半…「海苔漁師のお話し」

イケメン 天才 漁師 相澤太 東松島 歴代最年少皇室御献上海苔漁師 海苔  最高級 宮城 矢本 大曲浜 アイザワ水産 海苔漁師

味の違いは、全ての工程における生産者それぞれの思いと技術+自然。

 海苔っていうのはどういう生き物なのか。

 自然界ではどうやって生きているのか。

 どうやって育てているのか。

◀︎種付けー育苗・干出ー本養殖ー摘み取りー生産まで、全ての過程における生産者の”手間暇のかけ方、癖、こだわり、思い”によって、味が変わるということをお伝えした変態海苔漁師です。

どこの誰のが一番美味いじゃなくて、 海苔を楽しんでもらうこと。

▲初めて聞く海苔の生態・漁師のお話は、大人でも難しいと思います。大人だけでなく小学校低学年の皆さんまで一生懸命真剣に話を聞いてくださって、本当にありがとうございました。

海苔とご飯の「黄金比率」を試食しました。




2016ワークショップを終えて。相澤太より。

今回ご参加くださった皆さん、そして、増辰海苔店の皆さん、皆さんのおかげで最高のワークショップになりました。本当にありがとうございました!!(満員でご参加できなかった皆さん、すみませんでした。💦)

 

今回初めて問屋さんとの企画ということで、海苔の胞子の状態から焼きたてまで、全ての工程が学べる大変貴重な回だったと思います。その分頭もパンパンになったかもしれませんね。お土産もたくさんもらって海苔もパンパンでしたね。(笑)

 

僕のプログラムでは、海苔作りのことも話しましたが、なぜこのような場所に出向いて皆さんにお話しするか、という思いも最後にお伝えさせていただきました。だから来年も再来年も毎年恒例で、ぜひ一人でも多くの人たちとお話しして交流していきたいと思っています。あらためてその意味を、ここに記しておきたいと思います。

 

イケメン 天才 漁師 相澤太 東松島 歴代最年少皇室御献上海苔漁師 海苔  最高級 宮城 矢本 大曲浜 アイザワ水産 海苔漁師

こうやって食べる人と直接つながることは、すごく励みになるんです。毎年、もっと美味しい海苔つくりに挑戦しようって、色んな人の顔が浮かびますから。

感謝と楽しさと、もう一つの思い。未来への使命が見つかった。

 一次産業は、作ることが第一の使命。

しかも漁師は危険と隣り合わせ、6~7mの波が立つような太平洋で命かけてやってます。

 

 僕は、28歳で完全に「良いもの(等級、見た目)」は取れるようになったんで、 

これからは漁業の課題を変えてかなきゃないと思った頃でした。

イケメン 天才 漁師 相澤太 東松島 歴代最年少皇室御献上海苔漁師 海苔  最高級 宮城 矢本 大曲浜 アイザワ水産 海苔漁師

ある問屋さんから「海苔は10年ストックできるからね」と言われたことがあります。(※もちろん増辰海苔店様ではありません。)

 

安定供給も大事です。しかしそれじゃ一生懸命作った海苔も

風味なくなるわ…って、作り手として正直ショックでした。

海苔漁師は今でも毎年200人ずつ位やめていってるんです。

 

 「良いもの=美味しいもの」を作ることを追求し続けられるために、専念できるようにするために。僕らの世代で解決すべき使命だと、これらの課題に挑戦することを決めました。

 

これからの一次産業は、今作るだけではなくて、将来の子供、その次の子供の世代に、継げるような環境を遺してくことが使命です。カッパを脱いだポンコツは必至で言葉を覚えました。


勉強もしました。日本人は今、多くの人が安いもの、輸入品ばかり買っている。そういうものがたくさん売られているからでもある。

食糧自給率、世界の先進国で日本は唯一の異常な低さ。

これは一次産業がちゃんと仕事として成り立っていない証拠です。

だから辞めていく。継ぎ手がいないという。

 

すると、環境が守られなくなっていく。

僕らはますます作れなくなっていく。

山があって大地があって川があって栄養が流れてくる。

 

作るひとがいるということは、環境が守られるということ。

環境が守られるから、僕らは作ることができる、ということです。

 

 これは一人二人では変えられないことだから、浜超えて県を超えて海苔漁師が肩組んでやってかなきゃない。他の一次産業も一緒。

農家さんがいなくても、自然環境は守られないからです。

 

(参考:同じ浜同じ日同じ海苔での栄養塩の有り無し。)


僕は絶対に、人に「自分のが一番美味い」とか、どこのが美味い、とか言わないんです。

産地問わず、全国にはスゴ腕海苔漁師、いっぱいいますから。

 

だから、どこの誰のが一番美味いじゃなくて、「海苔を楽しんでもらう」ことを大切に感じられる取り組みとしてやってます。

 

海苔が作れるのは、人と自然の環境がそろってこそ。

 

それには絶対必要なのは、食べるひとです。

 食べるひとがものの価値を知ってくれたら、日本も自然ももっと変わります。

 

例えば、地元の食材を食べる、それを人に紹介するだけでも、少なからず盛り上がる。やらないよりはいいじゃないですか。

 

  今回お話しした中で、少しでも「へえー!」って思うところがあったとしたら、ぜひ、一人でも多くのお友達に、こんな生産者の話聞いたよって、一つでも話してもらえたら、来た意味があったと思います。

 

 そして、海苔を食べるときには、僕らや増辰さんの顔を、海を、思い出して、さらに言えばどんな食材にも作り手の想いが吹き込まれているということを、時折感じていただけたら嬉しいです。

 

僕も皆さんの顔を思い出しながら、笑顔で喜んでもらえるような海苔作りに励みます!

▲小さなお子様から、わざわざ遠くからお越しくださった方々まで、増辰ファンの皆さんは本当に素晴らしい方々でした!ありがとうございました!!


そして問屋さんです。

 

 本来、作るひとは作るに徹する。

餅は餅屋。

僕ら生産者が懸命に作った食材も、

食べる人まで大切に届けてくれる存在や、関係が必要だったんです。

 

それらの関係性をもういちど構築することが大事なんです。

 

問屋さんはものの価値を見定めて、価値を魅せて、食べる人に届ける。どこ産の誰のものか、魅せるのは大変なこと。

それをやっていこう、魅せていこう、お客様に直接伝えていこうというのが、今回のように増辰さんだったんです。お金のやりとり(販売)だけでなく、仕事の価値を理解して、未来につながる仕事をしている。

 

だから僕たちは、共にワークショップを実現できました。

こうやって皆顔を合わせて集まれる関係性が生まれることは、僕ら生産者もすごく嬉しいことです。

 


「作る」「伝える・届ける」「食べる」の関係性が生まれました。感謝です!

最後にあらためて、増辰海苔店の皆さんに心から御礼を述べたいと思います。

皆さんのワークショップへの取り組み姿勢、事前の念入りな準備・リハーサル、お客様のおもてなし、お土産の数々、そして休日出勤にもかかわらず皆さん快く一致団結し、この初めてのイベントを大盛況に盛り上げてくださいました。

これは、お客様想いの増辰さんだからできることだし、僕ら作り手の想いも十分に汲んでくれてのこととしか言いようがないです。

ここまでできるのかと、正直驚き、感動してしまうほどでした。

また、現場の皆さん一人ひとりが僕の話を真剣に聞いてくださったことも本当に有り難いことでした。嬉しかったです。

 

これからも力をあわせて食べる人に価値を伝え、一緒に業界を、未来を作っていけたら嬉しいです!

本当にありがとうございました!!

 

足を運んでくださったご参加者の皆さん、増辰海苔店の皆さん、マブダチ・原島さん!最高に楽しかったです!

本当にありがとうございました!!

 今度はぜひ東松島にも遊びに来てくださいね!いつまでも待ってます!


■ちなみに、2時間フルにこれだけ海苔で楽しめて、参加費会員500円(一般1000円)って凄すぎです。しかも最高級のお土産付き・・・。来年からもきっと大人気恒例企画として毎年開催されることを期待して、ぜひこれを機に早めに皆さん情報を得られるように、増辰工場直売会員登録をされることを強くお勧めします。増辰海苔店工場直売webサイト:http://www.mastaz1914.com/